山梨県甲斐市にあるギャンブル依存症回復施設「グレイス・ロード 甲斐サポートセンター」=2024年4月19日午後4時19分、山梨県甲斐市、三宅梨紗子撮影
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 「自分は病気なんだと認めることができました」

 山梨県甲斐市にあるギャンブル依存症の回復施設「グレイス・ロード 甲斐サポートセンター」に昨年1月から入所している30代の男性はそう語る。

 ここに来るまで、パチンコや競馬に競艇、オンラインカジノなどあらゆるギャンブルに手を出した。そして、大切な人たちを傷つけた。

 きっかけは高校1年生のとき。電車で40分ほどかかる学校に行くのがめんどうになり、繁華街で遊ぶようになった。

 ゲームセンターに通っていたが飽き、目に付いたパチンコ店に入った。小遣いではまかなえず、家にあった貯金箱などから小銭を取り、つぎ込んだ。家族がためていたお金にも手を出し、損失を穴埋めしようと競馬もやった。

 なかなか当たらず、「6艇なら当たるかも」と競艇もやってみた。ビギナーズラックで5万~6万円当たった。やめられなくなった。

 数年前に結婚した。だが、ギャンブルから手を引こうとは思わなかった。妻にはギャンブルのことは言えなかった。既に借金は膨らんでいた。それでも「一発当たれば返せる」と思っていた。

 その2年後、妻にばれた。借金は300万円になり、ヤミ金融にも手を出していた。両親に打ち明け、借金を肩代わりしてもらった。

 このとき、「もう終わりにしよう」と誓ったはずだった。

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